メルマガは営業ツールになります。
第1章|メールマガジンの役割と効果
メールマガジンは、「サービスの紹介」や「イベントの案内」を行うだけでなく、見込み顧客との継続的な関係構築を可能にする営業ツールです。
営業訪問が難しいときでも、定期的に情報を届けることで「思い出してもらえる存在」となり、契約のきっかけをつくることができます。
1. メールマガジンが担う主な役割
1-1. 見込み顧客との関係継続
1回の接点(相談会・セミナー・商談など)で終わらず、定期的に情報を届けることで接点を持ち続けることができます。
「また相談してみよう」と思ってもらえる関係性をつくることが目的です。
1-2. 「思い出してもらう」仕組みをつくる
企業側は多忙で、他社の提案や業務に追われていることが多いため、接点があっても忘れられてしまうこともあります。
定期的な配信によって、タイミングが合ったときに思い出してもらい、再びアクションを引き出すことができます。
1-3. 専門家としての信頼を積み上げる
有益な情報を継続して届けることで、受信者から「この人に相談すれば信頼できる」「この人はプロだ」と思ってもらえるようになります。
営業色が強すぎない、読み手にとって役立つ内容が重要です。
1-4. 営業を“仕組み化”できる
手間をかけずに複数の見込み顧客へ一斉にアプローチできるのも、メールマガジンの大きな強みです。
人的リソースが限られる個人・小規模事業者にとって、時間をかけずに営業のタネまきを続けられる手段になります。
1-5. メールは30代以上の経営層・管理職に届きやすい
SNSやチャットツールが浸透する一方で、30代以上の社会人層ではメールの使用率が依然として高いことがわかっています。
特に、メールは日常業務における「正式な連絡手段」「重要情報の確認手段」として用いられているため、経営者・管理職・人事担当者との接点づくりに有効です。
「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」総務省情報通信政策研究所より作成
2. 特にメールマガジンが有効な場面
- 相談会やイベントに参加した企業へのフォローアップ
- 商談はしたが、今すぐ契約には至らなかった企業との関係維持
- 「興味あり」と言っていたが音沙汰がない企業へのリマインド
- 地域の企業全体へ、同時に近況・情報を発信したいとき
3. よくある誤解と実際の効果
「メルマガは読まれない」「スパム扱いされるのでは」と思われがちですが、読まれるメルマガには共通点があります。
- タイトルが興味を引く
- 内容が読み手の悩みに直結している
- 文章が短く、具体的
- 信頼できる発信者から送られている
加盟店が地域の企業に向けて定期的に配信を続けることで、「採用に困ったら、あの人に聞いてみよう」と指名される存在になることが可能です。
第2章|メール配信サービスの種類と選定
メールマガジンを配信する際は、個人のメールソフト(Gmail、Outlookなど)を使うのではなく、専用の配信サービス(メール配信ツール)を使うことが基本です。
ツールを使うことで、「届かない」「迷惑メール扱いになる」「配信停止ができない」といったリスクを回避し、より安全かつ効率的な運用が可能になります。
1. メール配信サービスを使うべき理由
- 到達率が高い:スパム扱いされずに届きやすい仕組みになっている
- 配信リストの管理がしやすい:セグメント配信、配信停止処理も自動でできる
- 開封率やクリック率がわかる:効果測定ができ、改善につなげられる
- HTMLメール(画像入りのメール)にも対応:デザイン性のあるメールも簡単に作成可能
- 豊富なテンプレート:初心者でも見やすく読みやすいメールが作れる
2. FCオーナーにおすすめの配信ツール一覧
| サービス名 | 特徴 | 無料プラン | 商用利用 | UI対応 |
| MyASP | 初心者向け・日本語対応 | ×(有料) | ◯ | 日本語 |
| Benchmark Email | 初心者向け・日本語対応・テンプレが豊富 | ◯(〜500件) | ◯ | 日本語 |
| Mailchimp | 世界最大規模・自動配信に強い | ◯(〜500件) | ◯ | 英語 |
| Sendinblue(Brevo) | ステップ配信やSMS連携にも強い | ◯(1日300通まで) | ◯ | 英語・多言語 |
| 配配メール | サポート体制重視・中小企業向け | ×(有料) | ◯ | 日本語 |
第3章|メールマガジンの基本構成と書き方
メールマガジンは「伝えたいことを書く」だけではなく、読みやすさ・行動導線・信頼性・法的なルールを押さえた構成が大切です。
この章では、構成テンプレートに加え、必ず入れておくべき項目(法的・信頼面)についても紹介します。
1. メールマガジンの基本構成テンプレート
以下の構成をベースにすることで、毎回の作成がスムーズになり、読みやすく、行動にもつながりやすくなります。
| セクション | 内容とポイント |
| 件名(タイトル) | 読者の興味を引く短い文に。「求人票の見直しで応募が2倍に?」など、具体性とベネフィットを意識します。 |
| 導入あいさつ | 「こんにちは、採用できるくん〇〇加盟店の○○です。」など、誰から来たかがわかる一文で信頼感を高めます。 |
| メイントピック | 採用に関するノウハウ・成功事例・業界トピックなど。1通1テーマで簡潔にまとめます。 |
| お知らせ | セミナー開催、相談会、無料診断などのお知らせや案内。営業色が強すぎないよう注意します。 |
| 行動導線(CTA) | 「セミナー予約はこちらから」など、1つだけ明確な行動を提案します。 |
| フッター | 署名、連絡先、配信停止リンクなど、必ず入れるべき情報を記載します。 |
2. メールマガジンの必須記載事項
日本の「特定電子メール法」では、メールマガジンには以下の項目を明示することが義務づけられています。
また、これらは受信者の信頼感にも直結します。
(1)送信者情報
以下をフッターに明記してください。
- 屋号または事業者名(加盟店名)
- 担当者名(個人名でも可)
- 所在地(市区町村まででもOK)
- メールアドレスまたは電話番号(どちらかは必須)
(2)配信停止の案内
受信者が希望すれば、いつでも配信停止できるように案内を記載します。
- 「今後の配信をご希望でない方は、下記のリンクより配信停止が可能です。」または「このメールに【配信停止希望】とご返信ください。」などでも対応可。
(3)適切な配信対象
メールマガジンは、接点のあった企業・個人(名刺交換、セミナー参加、商談など)に対してのみ配信します。
一方的に取得したアドレスへの配信は、法的リスクや信頼低下につながるため避けましょう。
3. 書き方のポイント
- 一文を短く、簡潔にしましょう。全体で400〜600文字を目安にすると読みやすくなります。
- ビジネスメールであっても「等身大のトーン」で書くと親しみやすさが出ます。
- 長文や画像を詰め込まず、読みやすい行間・改行を意識します。
- 毎回、1つのテーマに絞ると伝わりやすくなります。
第4章|配信リストの作り方・管理のコツ
メールマガジンの配信で最も重要なのは、「誰に送るか」です。
配信リストの質によって、メルマガの反応や信頼性が大きく変わります。ここでは、配信対象リストの作り方と管理のポイントについて解説します。
1. 配信リストは“信頼関係のある相手”が基本
無差別に送るのではなく、以下のような「接点がある」「興味を持ってくれた」相手に絞って配信します。
- 過去に相談会・セミナーへ参加した企業
- 名刺交換をした企業担当者
- 営業訪問やZoom面談を行った企業
- 自社のホームページ・SNSなどから問い合わせがあった企業
※法律上も、事前の同意や関係性がない相手への一方的な配信は「特定電子メール法」に抵触するおそれがあります。
2. 配信リストの管理方法(基本編)
ExcelまたはGoogleスプレッドシートを活用
最低限、以下の情報を整理しておくと配信管理がしやすくなります。
| 項目例 | 内容 |
| 企業名 | 有限会社〇〇 |
| 担当者名 | 山田 太郎 |
| メールアドレス | yamada@example.com |
| 接点 | 名刺交換/セミナー参加/営業訪問 など |
| 最終接触日 | 2025年3月12日 など |
| メモ | 求人票の改善に悩んでいた など |
| 配信可否 | ○/×(配信停止希望などを記録) |
3. 配信ツールでのリスト登録とセグメント管理
配信ツールでは、上記のリストをCSVで一括登録したり、タグでグルーピングすることができます。
- 例)「セミナー参加者」、「商談済」、「見込み高」など
このように分類しておくことで、内容に応じたメールを配信でき、成果にもつながりやすくなります。
4. 配信先を最新の状態に保つコツ
- イベント後や商談後など、接点があったタイミングで必ずリストへ追記する
- 毎月1回、配信停止希望・エラーアドレスなどをチェックし、除外・更新する
- 「開封率が高い層」や「クリック実績のある層」は別リストとして保存しておくと効果的
5. 配信停止依頼・エラー対応のルール
- 配信停止の依頼が来たら、すぐに対象のアドレスを「配信停止リスト」に入れておく
- メールがエラーで戻ってきた場合も、配信対象から外す(ツールが自動処理する場合もあり)
- 配信停止処理を怠ると、「迷惑メール報告」される原因になります
第5章|より読まれるためのTips
せっかく配信したメールマガジンも、「読まれない」「行動につながらない」のであれば意味がありません。
この章では、開封率やクリック率を高め、読者の心を動かすための実践的な工夫を紹介します。
1. 件名(タイトル)の工夫
件名は、メールの“入り口”です。
読者の興味を引き、「読んでみよう」と思わせる一文を心がけましょう。
効果的な件名のポイント
- 20文字前後で簡潔に
- 数字を入れる(例:「3つのコツ」「○%改善」など)
- 質問形式にする(例:「なぜ応募が来ないのか?」)
- 【】で括って目立たせる(例:【無料セミナー案内】)
- メリットが伝わる内容にする(例:「応募数が2倍になった求人票の作り方」)
2. 導入文で「読む理由」を明確にする
本文の冒頭では、「このメールを読むと何がわかるのか」「どんなメリットがあるのか」を最初に伝えましょう。
例:
本日は、求人原稿の改善だけで応募数が2倍になった事例をご紹介します。
採用に悩む企業様にとってすぐに使える内容です。
3. 本文は1トピックに絞り、短くまとめる
- 1通につき、1つのテーマが原則です。
- 文章量は400〜600文字程度を目安に、読みやすく改行を入れて構成しましょう。
- 箇条書きや太字などを活用して、ポイントが目に入りやすくするのも効果的です。
4. 行動を促す導線(CTA)を忘れずに入れる
「無料相談はこちら」「このメールに返信ください」など、次のアクションを明確に伝えることが重要です。
例:
「求人票を見直したい」「自社に合う原稿を作ってほしい」と思った方は、ぜひこのメールにご返信ください。
5. 差出人名や送信元アドレスの設定も重要
- 差出人名は「〇〇@採用支援」や「採用できるくん〇〇加盟店」など、安心感・信頼感がある名前にしましょう。
- フリーアドレス(@gmailなど)よりも、屋号付きのメールの方が開封率が高くなる傾向があります。
6. 配信のタイミングを意識する
- 平日の午前中(10〜11時)や夕方(16〜17時)は開封されやすい時間帯です。
- 毎週 or 隔週の「決まった曜日」に配信すると、読者に習慣化されやすくなります。
7. 開封率・クリック率を見て、改善を重ねる
読まれるメルマガは、初回から完璧にできているわけではありません。
配信後の数値をチェックしながら、件名・構成・タイミングなどを少しずつ見直していくことが大切です。
第6章|効果測定とKPIの確認方法
メールマガジンの効果を最大化するには、「配信して終わり」にせず、配信後の反応を数値で振り返ることが重要です。
この章では、成果を判断するためのKPI(重要指標)と、その見方・改善のヒントを解説します。
1. メルマガ運用で見るべき主なKPI
| 指標名 | 意味 | 理想の目安 |
| 開封率 | メールを開いた人の割合 | 20〜30%以上が望ましい |
| クリック率 | 本文中のリンクがクリックされた割合 | 5〜10%程度が目安 |
| 返信・問い合わせ数 | CTA(行動導線)から返ってきたリアクション | 月1件以上あればOK |
| 配信停止率 | 配信停止リンクをクリックした割合 | 1%以下に抑えるのが理想 |
2. 各KPIのチェック方法
多くの配信サービスでは、配信後に自動でレポートが表示されます。
数値は以下のような観点で確認しましょう。
開封率
- 件名に問題があるか?
- 配信時間がズレていないか?
改善例:件名を短く・具体的に変更、配信時間を変えてみる
クリック率
- CTAの表現が弱くないか?
- 読者にとって「必要な情報」になっているか?
改善例:CTAの位置を目立たせる、クリック先の内容をより魅力的にする
配信停止率
- 配信頻度が多すぎないか?
- 読者にとって不要な内容になっていないか?
改善例:配信頻度を隔週に調整、テーマをセグメントに分ける
3. 定期的な振り返りと改善サイクル
以下のように、月ごと or 3か月ごとに振り返りのタイミングを設定するのがおすすめです。
- 開封率・クリック率の平均はどうか?
- 最も反応が良かった件名・テーマは何か?
- どんな導線で問い合わせが来たか?
- 改善できそうなポイントはあるか?
この記録をシートなどで残しておくと、内容のストックにもなり、より“効率的な営業資産”になります。
4. 運用に活かすためのKPI記録テンプレ(例)
| 配信日 | 件名 | 開封率 | クリック率 | 返信数 | 配信停止数 | 所感/改善点 |
| 4/10 | 「応募が来ない理由3選」 | 28% | 7% | 2件 | 0 | 成功事例が反応良かった。次も事例中心で。 |
| 4/24 | 「求人票のチェックポイント」 | 21% | 4% | 1件 | 1 | 件名が弱い。次は【】を入れてテスト。 |
このように、数字と改善点をセットで確認する習慣を持つことで、メールマガジンの質がどんどん高まっていきます。
第7章|よくある失敗と改善ポイント
メールマガジンを始めたばかりの頃は、手応えがないと感じることもあるかもしれません。
しかし、よくある失敗は「ちょっとした工夫」で防げるものがほとんどです。
この章では、加盟店オーナーがつまずきやすいポイントと、その改善方法を紹介します。
1. 売り込み感が強すぎる
ありがちなパターン:
- 毎回「契約しませんか?」の案内ばかり
- 商品説明が長くて“読み手の悩み”に触れていない
改善ポイント:
- 役立つ情報7割:サービス紹介3割のバランスを意識する
- 読者の立場に立って、「ためになる」内容を優先する
2. 文章が長く読みにくい
ありがちなパターン:
- 改行がなく、文字が詰まっている
- 一文が長すぎて意味が伝わらない
改善ポイント:
- 1文は40〜60文字程度を目安に
- 小見出し・箇条書き・空行を入れて、見やすさを意識する
3. ターゲットがあいまい
ありがちなパターン:
- すべての企業に同じ内容を送っている
- 読者の関心とズレたテーマを選んでいる
改善ポイント:
- 「採用に悩む企業向け」「セミナー参加者向け」など、対象を明確にする
- 配信リストにタグをつけて分類(セミナー参加者・商談済・見込みあり など)
4. 継続できない
ありがちなパターン:
- 毎回ネタ探しに時間がかかってしまう -「忙しい」を理由に配信が止まってしまう
改善ポイント:
- 事前に「テーマカレンダー」を作っておく(例:月1配信×3ヶ月分)
- 成功事例や業界ニュース、相談内容などから“よくある悩み”をストックしておく
5. 配信エラーや配信停止が放置されている
ありがちなパターン:
- エラーメールが届いてもリストを更新しない
- 配信停止依頼に対応していない
改善ポイント:
- 配信エラーが出たアドレスはすぐに除外・更新する
- 停止依頼には24時間以内に対応。誠実さが信頼につながる
最後に
メールマガジンは、“すぐに成果が出る”ものではありません。
ですが、継続して届けることで、
「あのメール、いつも読んでますよ」、 「そういえば、御社に相談したいと思ってました」 といった声が届くようになります。メールは“見えない営業”の第一歩です。
続けることで信頼が積み上がり、いずれ大きな成果へとつながります。

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